熟年離婚と財産分与

熟年離婚とお金の事

熟年離婚をするご夫婦が多くなっていますが、離婚を決心する前に、お金の事についてしっかり考えておく必要があります。
若い世代の離婚では養育費などが入ってきますが、熟年離婚の場合、お子さんが巣立っていることがほとんどなので、慰謝料、財産分与が大きな問題となります。

特に、熟年離婚の場合、大きなもめごとになるのは財産分与です。
婚姻期間中に築いた夫婦の資産を分配するという制度になるのですが、対象となる資産は何が合うのか、その分配はどのようになるのか、そのことで大きくもめることが多いのです。

財産分与の対象となるもの

財産分与の対象となるのは、婚姻期間中に夫婦が築いた財産という事になります。
現金、預金、車、不動産、有価証券、生命保険、家具、会員権、また資格退職金なども対象となりますし、借金、つまり負の財産も対象です。
昔よりも働く女性が多くなっているとはいえ、専業主婦という方もおられる、基本的に夫から妻に財産分与するという形が多いです。

どういった割合にするかというと、財産の形成や維持のためにどの程度の寄与があったのかという事が大きく係りますが、通常、裁判所の判断は1/2となる事が多いです。
夫の言い分として、妻が専業主婦の場合、収入がないため財産は自分で全部築き上げたものだという事がありますが、それは間違いです。

奥様が家事労働を行い夫の労働を支えていたからこそ、夫は外で働くことができるのですから、資産形成に貢献していると考えるのが普通です。
専業主婦の場合、妻が離婚後生活困難と予想されるという事で、一定期間ですが、夫が妻に金銭的な援助を行うという意味で、扶養料を財産分与の中で認めることもあります。

婚姻期間年数による平均財産分与額

熟年離婚となると婚姻期間は25年以上と考えると、財産分与が100万以下はたった1割で、600万円を超える夫婦が5割となり、かなり高額な分与となる事がわかります。
婚姻期間が1年以上5年未満では圧倒的に100万円以下の財産分与額で、6割以上です。

婚姻期間中に協力して築き上げた財産、これが熟年夫婦の方がずっと多くなります。
独身時代にためておいた貯金、つまり婚姻前の預貯金は財産分与対象とはなりません。
しかし、婚姻後の預貯金や購入した不動産などは、財産分与対象となります。

時効がある事を知っておこう

浮気、借金などが離婚の原因となった場合、財産分与請求はできないだろうと、そのまま何もせず、慰謝料だけ支払うという人がいますが、原因が浮気であっても、財産分与の請求ができます。
慰謝料を支払う事が出来ないという事になると、財産分与から差し引きされますが、財産は受け取る事が出来るのです。

離婚成立から2年経過すれば、財産分与請求が出来なくなります。
またできれば、婚姻期間中に財産分与をすることが望ましいといえます。
離婚してから財産分与請求を行っても、相手が全く話し合いに応じないなど、大きなもめごとになる事もありますし、すでに資産を処分されて何も残っていないという事もあります。

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