老後に必要な貯蓄額
豚の貯金箱

準備をしておこう

仕事を定年退職でやめたあとのことを老後とよく言います。
この老後については様々な不安があることでしょう。
例えば健康に対する不安もその1つです。
そしてもう1つ大きな不安であるといえるのが、やはり「お金」の不安ではないでしょうか。

老後のお金のことは、老後になってから考えるのではいささか遅すぎます。
老後になる前から、出来れば40代50代の内から考え、しっかり老後に向けた準備をしていきたいものでしょう。
そこでここでは、老後の生活をするためにはどのくらいのお金が必要であるのか、ということをまず考えてみます。

老後の生活費としてよく言われるのが「月15万円」です。
これは夫婦である場合で、かつ、必要最低限の生活費であるとされています。
そのため、独身の場合にはもう少し少なく見積もっても構わないでしょう。
ちなみに、ゆとり有る生活をするためには「月25万円」が1つの基準であると言われます、こちらも独身ではなく夫婦の場合なので、もう少し少なく見積もっても構いません。

老後になって仕事をしていた時と最も大きく変わるのは収入が減少することです。
特に考えなければならないのは、会社員として仕事をしてきたわけではないという場合でしょう。
こういった場合は年金が厚生年金や共済年金となっておらず、国民年金である可能性が高くなります。

国民年金は保険料も安いものの、支給される額も少なく、月5、6万円程度です。
これでは老後の生活を支えることはできないでしょう。
また、厚生年金や共済年金である場合にも考えておかなければならないのが「支給開始年齢」までのラグです。

現在、民間企業における定年は60歳であることが多いですが、年金の支給開始年齢は65歳となっています。
この5年間の間は全く収入がない空白期間となってしまい、この間の生活をどうするのかを考えなければなりません。
退職金がある場合には退職金をベースに生活をしていくことになるでしょう。
しかし、退職金がない場合には自分の貯蓄を食いつぶして生きるしかありません。

貯蓄を作ろう

男性の場合には78歳、女性の場合には86歳が平均的な寿命です。
老後の貯蓄については少なくともこの平均寿命を見積もって考えていく必要があるでしょう。
その時、必要となる金額についてまず計算をしてみなければなりません。

例えば男性の場合、退職から平均寿命までは18年あります。
前述の「最低限必要な生活費」をベースに考える場合、15(万円)×12(ヶ月)×18(年)で3240万円ということになります。
独身ということで少なく見積もって必要な金額が12万円だとしても、2592万円という試算です。
勿論この全額を貯蓄だけで補わなければならないわけではなく、年金を差し引けばある程度まで減らす事は出来ます。

女性の場合、退職後平均寿命までは26年を見積もらなければなりません。
同じように計算をすると、必要最低限の生活費だけでも4680万円という膨大な金額となります。
いかに多くの貯蓄が老後に向けて準備されるべきなのか、その一端を知ることが出来るでしょう。

では、どのようにして貯蓄を形成するべきなのでしょうか?
まずよく取られる方法であるのは、定期預金です。
毎月決まった金額を預金するようにし、自動的にお金がたまるようにしていく、というのがこの方法となります。
能動的に行なう貯金というのは自分の意思によって左右されてしまうため、自動的に行なうようにするのが重要です。

また、これ以外では「資産運用」でもって貯蓄を増やしていく方法もあります。
資産運用というと難しいもののように感じられてしまうかも知れませんが、なにもそう難しい、リスクの高いものを行うべきだということではありません。
投資先を分散することによってリスクは分散が出来、貯金よりも効果の高い貯蓄の方法とすることが可能です。

例えば代表的な例として確定拠出年金や、私的年金保険などがあります。
これらを利用することで、公的年金とは別に自分の年金を形成するようにしていくと、必要な貯蓄額を減らすことができるでしょう。
また、投資信託等を利用して積立を行うのも1つの方法です。

ただし、どうしてもこういったことを考えると「絶対に損をしない方法」というものを探してしまうようになります。
断言しておきますが、世の中に全くリスクなくお金を増やすことが出来る資金運用の方法というのは存在しません。
老後の資金に焦る50代を狙い「絶対に損をしない投資がある」と持ち掛けてくる人は、まあ概ね詐欺師です。
リスクとリターンは常に釣り合っている、ということは前提として覚えておきましょう。

About

Categories: お金