年金はあてにならない
紙幣

少子高齢化の問題

老後の生活というと、かつては公的年金を軸に考える事が多かったと言えます。
少し前までであれば、確かに老後の生活は公的年金だけである程度支えることが可能でした。
しかしながら、この公的年金にはさまざまな問題が存在しており、今後も同じように公的年金を老後生活の軸として捉えることは難しくなってきています。
では、どのような問題があるのでしょうか?

まずは、年金管理の杜撰さの問題です。
00年代には「消えた年金問題」、10年代には「年金情報流出問題」が発生し、この年金管理がいかに問題あるものなのかということが露呈してきました。
真面目に年金保険料を支払ってきたにも関わらず、将来いきなり自分が年金を受け取ることが出来ない、と言われてしまう可能性は無いわけではありません。
勿論そのケースは全体から見るとレアケースであることは考えられますが、ともかく頭のスミにでも置いておくべきです。

そしてもう1つ、決定的な問題があります。
それは「少子高齢化」による問題です。
年金の仕組みというのはそもそも「人口が増え続けなければ維持できない」作りとなっています。
この制度が生まれた戦後高度経済成長の時代にはこれが今後も続いていくことが想定され、そのことを前提にして制度設計が行われました。

そのため、その時代の人達にとってこの年金は確かに素晴らしいシステムであったといえます。
しかし、少子高齢化によって「支える人達」が少なくなってきたことにより、この制度はいずれこのまま維持できなくなります。
年金保険料というのは将来の自分のためにお金を払うシステムではなく、あくまでもその時の受給者に対してお金を払うシステムです。
現在すでに、年金保険料は元金われを起こしており、自分が払ったお金以上のお金を受給出来ない状況になりました。

加えてもう1つの問題であるのが「マクロ経済スライド」という仕組みです。
これは全体を見た経済状況に合わせ保険料を増やすというシステムであり、すでに平成29年まで継続的に保険料が増えることが決まっています。
これによって、実際の経済の伸び率以上に保険料が大きくなることがほぼ確定しているため、年金額は据え置きで支払う金額だけが大きくなることになりました。

このように、決定的な問題をいくつか抱えながらも、年金はいわば義務であり、税金と同じように国民が全員支払わなければならないものです。
会社員であれば厚生年金に加入しており、給料から天引されている事が多いでしょう。
公務員であれば共済年金で、同じように天引きが行われています。
これらに該当しない場合にも国民年金という基礎年金に加入しており、こちらは自分で全額支払を行っているはずです。

年金は支払わないと差し押さえが行われる可能性もあるため、いくら赤字になると分かっていても支払わないという選択肢はありません。
また、受給額だけを見るとマイナスが多いシステムではあるものの、年金にも良い点はあります。

メリットも有る

というのも、年金保険料を支払っていることで受けられるのは、何も「老齢年金」だけではないということです。
年金によって賄われているシステムとして、この他に「遺族年金」と「障害年金」があります。
遺族年金は自分にとっての経済的支柱となる人が亡くなった場合、遺族に対して支給される年金です。
障害年金は事故や病気などによって仕事ができなくなってしまった場合に支給される年金です。

これらの効果も持っていることを考えると、年金保険料は実はそれほど高額であるわけではありません。
その点については理解しつつ、年金保険料は支払うようにしましょう。

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